胃が痛いとか、もたれるなどといった症状をまとめて「ディスペプシア」と呼びます。さらに、それら不快な症状が続いているにもかかわらず、内視鏡検査などで異常が見つからない場合を「機能性ディスペプシア」と呼びます。
原因として挙げられるのは、ストレス、不規則な生活、喫煙、過度なアルコール摂取など。日本人に多い疾患ともいわれています。
機能性ディスペプシア改善には漢方薬がよく効きます。
ストレスなどによる胃痛やもたれなどの不快感には、「六君子湯」。また、「平胃散」を使うことで、お腹の巡りが良くなり、胃もたれ感や不快感の改善が期待できます。
逆流性食道炎やげっぷの改善には「茯苓飲」。逆流性食道炎で冷えを伴う場合は、「安中散」がいいでしょう。お腹の痛みを軽減し胃を安らかにする作用もあります。
加えて、ツボを押すのもいいですよ。
足の内側の外反母趾で出っ張る関節のところから、かかとの方に向かって指を滑らせるとピタッと止まるところがあります。ここのツボが「公孫」。優しくマッサージするように押すことで、胃痛や嘔吐、胃の不快感、食欲不振の改善などに有効です。
二日酔いがあるときは、手のひら側の手首の付け根にあるシワの中央から、肘の方へ指3本分のところにある「内関」を指圧するのもいいでしょう。ストレスや緊張を取る効果もあります。
機能性ディスペプシアには、日頃からストレスの軽減や規則正しい生活を心掛けることも大切。アルコールや喫煙などの刺激物を控え、胃の調子を整えるようにしてください。
(大橋理那/日本医学柔整鍼灸専門学校専任教員)